成長業界を探すにはもってこいの「会社四季報 業界地図 2012年版」を使い、投資対象を探してみました。今年度版は銘柄コードも記載されているので非常に便利です。
結局のところ投資妙味を感じる成長業種は「IT関係(特にインターネット関係)」と「介護関係」の2つしかありませんでした。
――――― 目安とする条件 ―――――
・絶対:時価総額 500億円以下(100億円以下)
・推奨:PER 10倍以下(8倍以下)
・推奨:ROE 8%以上(8%以上)
・推奨:配当利回り 2.5%以上(3.5%以上)
・推奨:株主資本比率 40%以上 (40%以上)
※括弧内はスクリーニング時の条件。
――――― NG条件 ―――――
・話題の企業(テレビ、世間、大幅増収増益)
・子会社 or 大株主がいない企業
・製造業(あまり詳しくないので避けます)
・人々に不利益を与えるビジネス(消費者金融など)
――――― 成長業界 ―――――
◎SNS・ブログ(P34)
飽和感のあるSNS業界。頼みの綱であるゲームに関しても、Androidマーケットなどにユーザーを奪われつつある傾向は否めません。
・GREE(PER 27倍・売上 640億円)
「ソーシャルゲーム離れ」「アプリに客を奪われる」などの影響から市場の期待ほどは成長しないと予想。
・DeNA(PER 9倍・売上 1127億円)
色々な問題(課金システム、球団買収)があり、株価は大幅下落。PERの面では割安ですが、今後はIT系コモディティ企業に変化していくものと思われます。
・mixi(PER 23倍・売上 168億円)
純粋なSNSインフラとしての価値は3社の中でも一番。底堅い業績が予想されます。ただし、現在の株価は割高だと思われます。
◎ソフトウェア(P70)
会計ソフト、グループウェアがメインですが、魅力的な投資対象はありませんでした。
◎ネットサービス(P74)
カカクコム、スタートトゥデイ(ゾゾタウン)が有力候補。株価の面でカカクコムに投資妙味が出てきました。
◎電子書籍(P94)
魅惑の市ですが、結局のところ主役となるのは「Amazon、Apple、Google」の3社。国内企業で魅力的な銘柄は見つけられませんでした。
◎ネット銀行(P107)
サービスの差別化が行ないづらいネット銀行の中で絶対的な優位性(ATM)があるのが「セブン銀行」です。大きな成長は見込めませんが、配当利回り3%以上と魅力的な株価水準です。
◎介護(P190)
ツクイ、ジャパンケアサービス、ユニマットそよ風、セントケア、シダー、ケア21など、割安銘柄が多い業界。懸念材料としては近年問題になっている「不当広告・料金トラブル」が上げられます。制度改正の人柱に立たされるようなブラックな企業は避けなければいけません。
――――― 成長業界だが投資対象外 ―――――
◎太陽電池(P18)
企業規模が大きい。再生可能エネルギーの最有力として確実な成長が見込まれる。海外企業の競争優位性が強い(特に中国メーカー)。
◎スマートグリッド(P22)
目ぼしい企業がない。長期的には必然的に伸びていく業界ですが、投資妙味はない。
◎スマートフォン(P28)
企業規模が大きい。数年間は確実な成長が見込まれる。Androidの普及(=Google検索の増加)により、インターネット業界のさらなる拡大が見込める。
◎自動車(P38)
企業規模が大きい。新興国(中国、ロシア、ブラジルなど)での需要増が見込まれる。近年では韓国メーカーの成長が目立っている。
◎海外旅行(P198)
企業規模が大きい。引退後の高齢者による需要増が見込まれる。ネット系旅行サイトは大手が独占状態(楽天、Yahooなど)。店舗負担のないメディア型旅行代理店は未上場(トラピックス、クラブツーリズムなど)。
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