――――― (1) 企業価値を見積り ―――――
≪誰の見積り?≫
機関投資家、大株主、外人投資家、バリュー投資家など
≪どこを見ているの?≫
・将来的にいくら利益を生み出すか?(PER etc)
・成長性は高いか?(ROE、ビジネスモデル etc)
・規模は大きいか?流動性は高いか?(時価総額 etc)
・現在の資産価値はいくらか?(PBR etc)
こういった要素を総合的に見て、株価を判断しています。専門用語ではバリエーション(価値評価)と呼ばれます。
≪正確な株価を導き出すことはできない≫
機関投資家を中心とする超優秀な人々による企業価値の評価ですが、それでも正確な株価を導き出すことは出来ません。不確定要素の少ない業種ほど、よりブレの小さい株価を出すことができます。
≪ブレが起こりやすい状況とは?≫
成長期待値が高い企業ほど株価が上にも下にもブレやすくなります(リスクが大きい)。なぜなら、将来の成長率はプロにも予想が出来ないためです。「カリスマ経営者」「魅力のあるビジネスモデル」「メディアへの露出度」「独占状態」などの要素により株価は高く見積もられます。
『成長期待値が高い企業ほど株価のブレ幅が大きい』
――――― (2) 短期売買による株価の上下 ―――――
≪参加者≫
デイトレーダー、
スイングトレード投資家、ポジション投資家
≪どこを見ているの?≫
・銘柄の盛り上がり
・投資家心理(テクニカル指標、板情報 etc)
≪ゼロサムゲーム≫
短期トレーダーの資金は銘柄から銘柄へ移動するだけなので、「どこかが上がれば、どこかが下がる」「誰かが儲かれば、誰かが損をする」という図式が成り立ちます。
≪根拠の希薄な売買≫
短期トレーダーはファンダメンタルズ的な根拠を持ちません。ベースとなる株価は長期投資家の判断に委ねています。
そのため、
◎基本的には長期投資家の形成する株価を大きく動かすことはない(ファンダメンタルズに収束する)
◎株価のブレ幅が大きい銘柄が好まれる(成長性の高い銘柄、倒産リスクのある銘柄 etc)
◎株価のブレ幅が小さくなれば他の銘柄に移る
などの特徴を持っています。
――――― (3) インサイダーや仕手筋 ―――――
違法な情報優位性や、株価コントロールを武器に取引を行なう不正な投資家。全てを取り締まることはできないため、いつでも身近に潜んでいるものとして売買を行なわなければいけません。
実際には関係していなくても、「仕手が動いたかも」「インサイダーが何か情報を握っている」といった存在感が株価の異常な暴騰や急落を招くこともあります。
――――― まとめ ―――――
このように「企業価値評価による株価」をベースに、短期トレーダーが株価を動かしているのが株式市場です。
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![]() | 運営者:かなめ 住まい:群馬県 生まれ:1980年 |