最近は「当たり本」が多いのですが、その中でもピカイチだったのが本書「賭けの考え方」です。
「長期的な戦略の練り方」「長期戦略をブレなく実行するための心のあり方」を学ぶには最高の1冊です。本の題材となっているポーカーだけでなく、投資、ビジネス、さらには人生全般にまで役立つ本です。
多くのことの長期的成功率は「才能×努力×この本に書いてあることの理解度」と言っても過言ではありません。だからこそ1回読んだ程度では身につけることは難しく、定期的に読み返すことで少しずつ自分のものにしていきたいと思います。
ただし、ある程度の基盤がないと、この本を読んでも、いまいちピンとこないかもしれません。
――― 感じたこと・投資に活かせそうなこと ―――
◎画面の向こうにいるライバルは自分と同等以上の能力を持ち、同等以上の努力をしている。その相手に勝つための戦略を絞り出し、実際に成功するために戦術を洗練させなければいけない。
◎市場で生き残っているプレイヤーは「非常に優秀」「豊富な経験」「大きな資金」といった特徴を持つ。投資家はこのように強大な敵と戦わなければいけない。
◎期待値をもとにした現実を受け入れるには「銘柄数を増やす」「売買スパンを短くする」などして、統計対象となる分母を増やす投資環境作りが必要。
◎多くの人は調子の良い期間のパフォーマンスこそが「自分本来の実力」だと思いがちである。大失敗と思われる取引も期待値(実力)の一部として認識しなければいけない。
◎「連戦連勝」「急上昇」などは必ずしも良い兆候ではない。長期的な結果は期待値に収束していく。
◎短期的なセッション(日別・月別)の成績統計を取ることは百害あって一利なし。
――― 気になった部分 ―――
◎コインを10回投げて表が7回以上出る確率は約17%だが、100回投げて表が70回以上出る確率は0.004%しかない。
◎怖がっている金では勝てない(賭け事全般)。
◎テーブルに自尊心を持ち込んではいけない。最終目的をブレさせる別の目的を求めてはいけない。
◎新しいプレイヤーたちは「急激な成長 → 着実な成長」を経た後に、学ぶことへの情熱を失い、今まで勉強に割いていた時間を、他のこと(ゴルフなど)に使いはじめる。
◎優れたプレイヤーならバッドビートを愛するべきなのだ。相手のまずいプレイこそが、あなたの成功のカギである。
◎ダウンスイングに実体はなく、観察上のパターンでしかない。ただし、期待値(実力)の一部でもある。
◎大規模なダウンスイングに対処することは、ポーカープレイヤーとして必要なことの中で最も難しいことの1つである。
◎勝っていることを理由にやめる理由は全くなく、負けていることを理由にやめる意味もほとんどない。
◎マイナスを及ぼすティルトのキッカケはとても多い。「大きな損失・驕り・心や体の疲労・飽き・手抜き」など。
◎プロのポーカープレイヤーとして稼げる人は、それ以外の仕事でも同等以上の収入と安定を得ることができる。その上でポーカープレイヤーという人生を選ぶ意味は少ない。
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![]() | 運営者:かなめ 住まい:群馬県 生まれ:1980年 |