2011年12月7日に史上最年少上場(25歳・村上太一氏)で話題のリブセンスが上場しました。今が旬の企業なので簡単に分析してみます。
――― 基本情報 ―――
・2006年設立
・25歳の史上最年少上場社長「村上太一氏」
・社員数 36名(平均年齢 29歳)
・IPOで市場から吸収するお金は約7.5億
・売上高 10.7億円
・経常利益率 34〜42%
・EPS 約87円(2011年12月期予想)
・BPS 約285円(2011年12月期予想)
――― 事業内容 ―――
・成功報酬型求人情報サイト「ジョブセンス」
・成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」
・成功報酬型中古車情報サイト「Motors-net」(新規事業)
成功報酬型にしたことでクライアント(出稿側)のコストが半分近くまで下がったなどの声が聞かれます。しかも、初期費用のリスクゼロです。さらに契約確定した利用者(訪問者)にもお祝い金を贈呈しています。
つまり、インターネットの低コスト性を利用した価格破壊です。ASP事業(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)などに近い性質です。上手いこと市場の隙間を見つけたようです。
――― 株価の動き ―――
・公募 990円(時価総額 34億円・PER 11.3倍)
・初値 1,800円
・現在 2,211円(時価総額 76億円・PER 25.4倍)
――― まとめ ―――
圧倒的な差別化要因というわけではありませんが、既存同業者にとっては「システム開発が必要」「既存収入の放棄」という事態になりますので、すぐに追いつくのは難しいと思います。
それでもインターネットの世界は究極のビジネス模倣業界なので、先行者利益を享受できる期間は長くはないでしょう。
リブセンスは後追いサイトによる競争に巻き込まれる前に、広告コストが高い業界を探してパイを拡大していく方針となります。
ただし、今の経常利益率は40%付近と非常に高い水準です。価格コム、クックパッド、モバゲーなどの差別化要因の強い強豪サイトを運営している企業と同じ水準です。これは間違いなく低下していくことでしょう。
「少数精鋭の機動力」「競合増加による低下」を加味して、最初の1〜2年は順調、その後の2〜3年は厳しい状況、その後は安定期に入ると予想します。
絶対的な優位性をもつサービスを開発するのは難しいのではないでしょうか。
株価水準はウェブクルーと同じく「PER 20倍・PBR 3倍」ぐらいが妥当でしょう。ちなみに今の時点ではPBRはあまり意味がありません。
≪売り狙い計画≫
初値の2倍の3600円(PER 41倍・PBR 12.6倍)でカラ売り。1800円で買い戻し。
≪買い狙い計画≫
業績次第ですが、400円程度なら買います。ただし、下落リスクが大きいので小額からの計画的ナンピン買いで買い進めます(底値はPBR1倍が目安)。同じIT系の割安企業なら「基盤の安定」と「割安感(PBRの低さ)」を考えて、インタースペースを買います。
もしくは経営陣の実力と実績を考慮して「ザッパラス」も魅力的です。
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![]() | 運営者:かなめ 住まい:群馬県 生まれ:1980年 |