今現在の自分の知識をフル稼働して作成した今後の投資方針です。間違っている部分も多いと思いますが、コレをバージョンアップしていきたいと思います。
――― 日銀の使命は物価の維持 ―――
・アメリカは急激なインフレ基調
・中国は経済発展にともなうインフレ基調
・イギリスとフランスもインフレ基調
・日本は断固とした物価維持の方針
このように日銀の物価維持の姿勢はハッキリとしており、日銀主導によるインフレ誘導は今のところ考えられない状況です。むしろ、日銀の目的(物価維持)は達成していると言えるでしょう。巷で「デフレ」と言われるほど物価が落ちているわけではありません。
――― 円高はいけないことなの? ―――
近年問題になっている円高ですが、「円高が絶対的にいけない」わけではありません。例えば某国で超インフレが起きて「物価が2倍」になり、同時に「円の価値が2倍(円高)」になったとします。これは問題ありません。輸入商品の価格は円換算では変わらないためです。
今起きている円高問題は「円に危機回避の役割」が求められていることです。本来あるべき水準(購買力平価)よりも円高になることで、日本が世界の負担を背負っています。
これが日本株に「ディープ・シクリカルな特性」があると言われる原因です。
――― インフレは投資家に有利なシステム ―――
ある国が急激なインフレに襲われ、「5年後には物価2倍&株価2倍」になったとします。そのときに起きていることは、
・投資家の実質資産価値は変わらず
・貯金をしていた人の実質資産価値は半減
・給与は2倍まで上がらず実質給与の減給
・お金を貸していた人は損をして
・お金を借りていた人は得をする
という状況です。
経済規模が変わらないのであれば、富のバランスが「投資家」移動し、格差が広がることになります。また、慢性的なインフレは、紙幣よりも投資(金や株式)にお金が集まるため、投資商品の価格が上ぶれすることになります。
――― 日本経済の今後 ―――
今後も人件費の差による海外への工場移転の流れは止まらないでしょう。
≪各産業の成長率≫
※データ:2010年・指数=2002年を100とした数値
産業 | 指数 | 人口 |
---|---|---|
医療・福祉 | 137.9 | 653万人 |
情報通信 | 124.0 | 196万人 |
サービス業 | 121.7 | 455万人 |
不動産・物品賃貸 | 109.3 | 110万人 |
運輸・郵便 | 106.7 | 350万人 |
教育・学習支援 | 103.9 | 288万人 |
生活関連・娯楽 | 98.6 | 239万人 |
宿泊業・飲食 | 97.7 | 387万人 |
学術研究・専門技術 | 97.1 | 198万人 |
金融・保険 | 96.4 | 163万人 |
卸売・小売 | 95.4 | 1057万人 |
製造 | 87.3 | 1049万人 |
農業・林業 | 87.2 | 234万人 |
建設 | 80.6 | 498万人 |
≪製造業の労働コスト(2010年)≫
国 | 工場労働者の賃金 |
---|---|
中国 | 311ドル |
インド | 294ドル |
ベトナム | 96ドル |
タイ | 263ドル |
インドネシア | 186ドル |
シンガポール | 1252ドル |
その結果、下記のような状況になります。
・海外の労働力を活かす立場にいる人は豊かになる
・情報通信と運輸は着実に伸びる
・国内の工場労働が激減する
・福祉の仕事が急増する
・第一次産業の仕事が回復する(長期的)
・格差が広がる(地域格差が顕著になる)
・最低限の生活をする人の比率が増える(余裕が減る)
「大きな戦争」「絶対的な優位性(地理、資源、人口ボーナス)」「圧倒的に優れた政治(小国のほうが効果的)」などがないかぎり、この流れは止まらないでしょう。
――― アメリカのデフォルト問題 ―――
世界経済の一番の不安材料は「アメリカのデフォルト問題」ですが、実際にデフォルトを起こすことはないと思います。デフォルトをほのめかすことでドル安を誘発し、「国民労働コストの低下(失業率低下)」「借金の棒引き」「名目GDPの上昇」などの効果を狙っているのだと思います。
その影響でアメリカの消費は減るものの、今後は新興国(BRICS、NEXT11など)の成長により世界経済は支えられていきます。
そういった意味では「アメリカのデフォルト問題」も「ユーロ危機」も特に問題はありません。「借金踏み倒し」に近い状態になりますが、過剰な消費と分かっていつつ、売りつけ続けた日本や中国にも責任があるので仕方ないでしょう。粉飾しているわけではないので、貸した側にも責任があるということです。
――― 日銀のスタンスと今後の物価予想 ―――
(私の勝手な想像ですが)日銀のスタンスは、
「本当はダメだけど、しばらくは国債を買い支えてあげるから、しっかり増税と支出削減で乗り切ってね!」「嫌ならデフォルトの汚名を着ればいいよ!」
ということだと思います。
その結果人気を集めたのが、小泉総理であり、数千のゾンビ企業や不要な銀行をぶっ潰して、海外で激賞されることとなりました。
賛否両論ありますが、日銀がインフレという「魔法の薬」を与えずに、日本経済の現実を見せつけ、改革を促進するスタンスに個人的には賛成しています。ただ、バブル期の負債を今&将来の世代に背負わせるのは止めていただきたいものですが(^^;
政治を語っても仕方ないのですが、今の高齢者の負担をもう少し高めるのが世代間のフェアな政策だと思います。
次に物価についてですが、
・海外輸入品のデフレ圧力が軽減
・新興国の国内需要増
・国債発行のインフレ圧力(2〜3%)
・海外移転による製造業人口減(年2%)
・福祉医療の従事者増(年4%)
※数値は概算です。
などの影響を考えると、少しだけインフレに傾くと思います。増税&物価高&インフレ(スタグフレーション)の結果、余裕収入が減ってしまいます。それでも、世界的に見て豊かな国であることに変わりはありません。
また、日本人が20年ぶりに体験するインフレの影響で一時的に株式市場が好況に沸く可能性があります。ただし、一時的な現象です。
――― 無成長時代の投資法 ―――
さて、前提条件の整理と解説を終えて、やっと本題です。
「人間は発展を望み続けるから経済は成長し株価は上がる」という考えは無理があります。大多数の人間が、マズローが言うところの「生存欲求」「安全欲求」「社会的欲求」を手に入れた国は歩みを止めるのではないでしょうか?
または経済面以外での豊かさを求めると思います。
世界全体(先進国と新興国)の豊かさが収束に進んでいる今、富を得る最後のチャンスかもしれません。
社会構造に大きな変化がない時代では「企業が生み出す利益を得る権利(株式)」を所有している人間が圧倒的に有利です(逆転が起きづらい格差社会)。需要が安定していて、新規参入障壁が高く、配当利回りの高い企業が狙い目です。
今は割安企業(PER10倍以下、配当利回り3%以上)のバーゲンセールです。資産が多ければ、安定路線でゲームクリアなのですが、あいにくの資金不足です。残念です。
「国内が飽和状態であるなら海外に活路を求める」という発想もありますが、日本企業の海外展開はあまり期待値の高くない賭けだと思います。今のところ国内の覇者を狙ったほうがよいでしょう。
――― 局地戦で逆転戦略 ―――
本来であれば「リスクの低い安定企業株」をたっぷり購入して悠々自適の配当生活を送りたいのですが、残念ながらそれほどの資金力がありません。仕方がないので、「リスクを取り」「能力をフル稼働して」局地戦で大きな成果をあげたいと思います。
――― 局地戦(1) 日本株で地の利を得る ―――
外国投資にも魅力を感じましたが自分が一番理解できる「日本株での戦い」が一番有利だと判断しました。外国人投資家よりも「日本人の気持ち」「日本の状況」が理解できますし、日本の情報は日本語が一番多いと思います。
ただし、ネットの情報は玉石混在なので取り捨てする能力が必要です。それでも、情報量の多さが優位性である点は間違いありません。
――― 局地戦(2) 見守り局面でリスクを取る ―――
万が一、日本がデフォルトしようと関係ありません。とにかく安値で拾い続けることです。世界中の投資家が守りに入っている今だからこそリスクを取っていくべきです。もちろんシッカリした裏づけが必要ですが。
バブル崩壊後の20年は「バブル崩壊の精神的ショック&負の遺産整理」「新興国のデフレ圧力」などにより冴えない時代が続きましたが、転換期が近づいてきています。経済停滞の長さ(20年)が日本の底力になっていると思います。
――― 局地戦(3) 小さな企業に絞る ―――
大きな資本が入りづらく、値動きの激しい小型株オンリーで攻めます。
――― 局地戦(4) 得意分野に絞る ―――
◎インターネット企業
本業の知識蓄積を活かします。小型ネット株は値動きが荒いのである程度の分散(銘柄数、購入時期)は必須です。また、スマホ普及も追い風です。
◎地元でよく行くお店
埼玉、群馬、栃木あたりからスタートした企業限定。全国展開している企業はNG。都道府県の上位15位でGDPの70%を占めてしまうため、群馬県(18位)に来た頃には国内拡大余地が少ない状況です。ただし、群馬県内で高崎駅にだけある企業は要チェックです。
――― 局地線(5) 成長産業に絞る ―――
≪検討対象≫
◎介護福祉
◎スマホ&タブレットPC(アプリなど)
≪検討対象外≫
◎新エネルギー(スマートグリッド、太陽光、風力)
――― 局地戦(6) 細かい作業を丁寧に行なう ―――
機関投資家に比べて機動力(売買コストの安さ、意思決定の早さ、説明義務がない)があるので細かい売買が出来る点が強みです。「小まめなリバランス」「判断ミスを感じたときの撤収」などを丁寧に行なっていきます。
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