ウォール街でチャンピオントレーダーに上りつめた男「マーティン・シュワルツ」の著書を読みました。それなりに面白い本でしたが、デイトレードに興味がない人は読む必要はないと思います。
――― 感想&学んだこと ―――
デイトレードの世界は「勝負事が大好き」「負けず嫌い」「IQ」「集中力」などを異常に高いレベルで備えている人が、何年かの経験を積んだ後に、やっと勝てるようになるのだと思いました。
「フルタイムトレーダーのみが成功を収める」
「監視銘柄は70以上」
「1年に25,000回の取引(1日100回程度)」
「8時間より短い睡眠時間だと、起きても仕事にならない」
マーティン・シュワルツのこれらの発言からも分かるように、想像以上にハードな世界です。毎日、プロの試合に挑むようなものです。素人に毛が生えた程度の人間が挑んでも、まったく相手になりません。
この本を読んだ後も、自分がデイトレードで稼げると感じる人は「どれだけ自分の能力に自信があり、どれだけ生活を捧げる覚悟があるのだろう?」と思ってしまいます。それほどチャンピオントレーダーと呼ばれる人間は異常な存在でした。
さらに言えば、「覚悟」があって、どれだけの努力を積み重ねようとも、結局のところ「自分に合ったトレーディングスタイル」を見つけ出さなければ、成果を上げることはできません。生半可な気持ちで勝ち続けられる世界ではないことをあらためて思い知らされました。
――― PickUP(スタイル) ―――
◎各自の性格や個性を活かしたトレーディングスタイルを持つことが大切。
◎私の場合、自分自身を理解するのに9年もかかった。
◎私の強みといえば、ハードワークを信じていること。
◎フルタイム・トレーダーのみが相場の世界で成功を収めることができる。
◎子供のころは12時間は眠れたが、今では8時間ほどしか眠れない。それより短い睡眠時間だと、起きても仕事にならない。
◎主に自分が追っている銘柄は70個。
◎25,000回の取引を1年間で行なった(1日100回程度)。
◎私は10回中7〜8回当てなければ気がすまない。
◎コンピューターはあくまでも道具の1つで、実際に自分の手を汚さないとデータなど理解できない。
――― PickUp(リスクコントロール) ―――
◎相手が数回連続で勝ったとき(自分が負けたとき)、次は賭け金を倍にしたくなる。この誘惑に負けると、破産が待っている。
◎立て続けに勝ったときは、違うテーブルに移る。運がいつまでも続くわけではない。
◎トレーダーが持つことが出来る最大の武器は「損切り」である。自分の非を認め、エゴを捨て、次の取引に参加する資金を保護する目的で使われる。
◎どれほど素晴らしい分析能力を備えていても、大きな波(大衆心理)に立ち向かうことは非常に危険で、時として命まで落としてしまう。
――― PickUp(その他) ―――
◎自分が他人より優れていると思っても、実際は、そんなことはない。特に、相場の世界では。
◎一般的に噂を耳にした時点で、その情報には価値がない。
◎一般的に動き出した銘柄は同じ方向に3日間ぐらい進む(その後は反発に注意)。
◎最悪の状況に出くわして、今にも打ちのめされそうになったら、通常の2倍のポジションを張る。
◎1987年、最初の9ヶ月に650ポイントの上げ(年率換算33%)を記録していたが、この上げ相場に終焉など訪れるとは誰もが思っていなかった。
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![]() | 運営者:かなめ 住まい:群馬県 生まれ:1980年 |