Amazonでの評価が非常に高かったので、経済評論家・未来学者「藤井厳喜(ふじいげんき)」さんの「日本人が知らないアメリカの本音」という本を読みました。
非常に多角的な視点から見たアメリカ解説本であり、「アメリカの歴史と今」「世界経済と軍事」「中国の今後」「インターネットの今後」を知るにはイチオシの1冊です。
多くの経済評論家がいますが、ここまで「広さ」「深さ」「バランス感覚」を併せ持つ人はなかなかいないのではないでしょうか。未来予想の情報源としての価値も高いので、2〜3年に1冊は作者の新作を読み続けたいと思います。
――― 学んだこと ―――
◎国というものは人間の集まりであり、統一された考えがあるわけではない。アメリカは特にそのような傾向が強い。
◎アメリカは建国当初から「フェデラリスト」と「アンチ・フェデラリスト」の対立が続いており、これがアメリカの複雑性を生んでいる。
◎個々の人間が育ってきた環境により考え方が大きく異なるように、国というものも歩んできた歴史によって考え方の方向性が異なる。
◎ヨーロッパの外交基本は「バランス・オブ・パワー(国益こそが善)」だが、アメリカの外交基本は「(アメリカの判断する)善悪が基準」となっている。
◎中央銀行は絶対に存在しなければいけないわけではない。アメリカでは1832年からの80年間は中央銀行が存在しませんでした。
◎米中の本格的な対立が迫っている。
◎東日本大震災が報道された直後、中国のインターネット上では喝采を叫ぶ声も殺到した。
◎世界の中で日本人の真面目さやお気楽さが際立っていると感じます。しかし、個人的には、その真面目さやお気楽さが日本の長所とも思えます。
◎人の記憶は10〜20年もすれば忘れ去られる。情報としては残るが、感情記憶としては完全に消えます。それが過去の過ち(戦争、バブル)を繰り返す原因となります。
◎景気の上下は「政策の影響」で語られることが多いが、本質的には状況の変化(需給関係)が原因だと思います。
◎官製インターネット(国内完結のネットワーク)という選択肢もある。
◎1922年:ラジオ放送開始、1941年:テレビ放送開始、1993年:モザイク(ブラウザ)を開発、1995年:Windows95発売(インターネット時代の到来)。インターネット時代のスタートからまだ20年程度しか経っていません。
◎TPPの本質的な問題点は「国民の安心・安全が守れなくなること」です。色々な基準を自国で決められなくなってしまいます。
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