――― 投資家は市場に踊らされる ―――
株式投資初心者の頃はあえて重視していませんでしたが、当初考えていた以上に「個別銘柄は市場全体と連動する」ということに気付きました。
どのような意味かといいますと、
(1)A株・B株・C株をそれぞれ100円で購入。このときの日経平均は10000円です。
(2)幸いになことに130円値上がりしたので売却。代わりにD株・E株・F株を50円で購入。「オレって才能あるかも」などと思ったりします。このときの日経平均は13000円です。
(3)しかし、残念なことにD株・E株・F株は38円になってしまいます。これで資本は(1)の状態とほぼ同じになります。このときの日経平均は10000円です。
このように、個々の銘柄選択が上手くいっているように見えても、実際は市場全体の波に踊らされているだけという状況が多々あります。
さらに悪いことに動けば動くほど税金や手数料によるロスが発生するので、市場全体を下回る結果となってしまいます。
よく「株式市場(日経平均)が上がって欲しい」といった声を聞きますが、日経平均が上がった時点で株式投資から撤退しないかぎり、市場から利益をあげることは困難です。これが「株式投資は敗者のゲーム」だといわれる所以です。
しかも、日経平均が上がれば「配当利回り」も下がってしまうので、実のところ「市場全体(日経平均)の上昇は悪い出来事」でさえあります。
――― 波に乗りながら利益をあげる ―――
このように恐ろしい市場の呪縛ですが、私は「市場全体の波を逆手に取れるのでは?」と考えています。
私の基本売買ルールは「20%上がったら売却」「20%下がったらナンピン買い」です。もちろん銘柄ごとに違いがあります。これは購入理由が関係するので、いつでも「この銘柄は○%上がったら売るつもりだ。なぜならば・・・」と説明できなければいけません。
さて、本題の「市場を逆手に取る方法」ですが、「購入時の日経平均と今の日経平均の差を計算にいれること」です。例えば、A株を日経平均10000円のときに100円で購入します。その後、A株が130円になっても、日経平均も同じ比率だけ上がっていればA株の値上がりは0%だと考えます。下がった場合も同様の考え方です。
逆にA株の株価が100円のままでも、日経平均が20%下落すればA株を売却して他の銘柄を購入します。
つまり、市場全体の波から乖離した銘柄だけを売買します。この作業により徐々にですが、市場全体における自分の所有率をあげていくことができるはずです。
[←前] 株式投資に便利なアプリ for iPad&iPhone
[次→] 行動ファイナンスと複雑系から学ぶ株式投資
![]() | 運営者:かなめ 住まい:群馬県 生まれ:1980年 |